🧭【第1章】旅のプラン作り、面倒じゃないですか?
「旅行に行きたいけど、プランを立てるのが面倒くさい」――こんな気持ち、誰しも一度は抱いたことがあるのではないでしょうか?
せっかくの休みを有意義に過ごすために、移動手段・観光スポット・宿泊地・食事処など、あらゆる選択を自分で調べて決めるのは意外と労力がかかります。特に夫婦や家族旅行となれば、「誰かに任せてしまいたい…」という気持ちはより一層強くなるものです。
そんな中、最近話題なのが「AIに旅行プランを考えさせる」という新しい発想。
実際、ChatGPTやGoogle Geminiのような生成AIが、観光スポットやおすすめルートを提案してくれるという話をSNSなどでよく見かけるようになりました。とはいえ、正直なところ「どうせ適当な提案しか返ってこないんじゃないの?」「AIに旅程なんて立てられるの?」という懐疑心も拭えませんでした。
しかし──。
Google Geminiの「Deep Researchモード」で試してみたところ、その不安は一瞬で吹き飛びました。
返ってきた旅程は、まるで一流旅行コンシェルジュが作ったような、詳細かつ現実的なプランだったのです。
この記事では、実際にGoogle Geminiで旅行プランを作成してみた体験をもとに、
- どんな情報を入力すればいいのか
- どんな旅程が返ってくるのか
- ChatGPT(無料)との違いは何か
を、リアルな感想とともに徹底レビューします。
今回は、東京から出発し、奈良・和歌山をめぐる2泊3日の夫婦旅行をテーマにAIに依頼してみました。
次章では、実際にGoogle Geminiに投げたプロンプトと、その返答を詳しくご紹介します。
🧪【第2章】実際に使ってみた:Geminiに旅の条件を伝えてみた
今回は、Google Geminiに「2泊3日の夫婦旅行プランを考えて」と依頼してみました。
旅行のテーマは「歴史と文化、そして景色を楽しむ奈良・和歌山の旅」。
大人の落ち着いた旅を想定し、以下のような条件を設定してプロンプト(指示)として入力しました。
📝 入力したプロンプト(指示)内容
東京発で、大人2人の夫婦向けに、奈良と和歌山を巡る2泊3日の旅行プランを提案してください。
以下の条件を考慮してください:
・旅行時期は10月の土日月(平日含む)
・歴史的文化遺産や絶景スポットを優先
・地元で評判の良い食事処やご当地グルメを組み込む
・宿泊施設は温泉付きが望ましい(できれば2泊とも)
・公共交通機関(電車・バス)での移動を想定
・旅の雰囲気が伝わるよう、1日ごとの行程を時間帯ごとに記述してください
このように、希望を細かく伝えることで、Geminiの提案は一気に実用的になります。
さらに今回は、Geminiの出力モードで「Deep Research」を選択。これにより、より詳細で正確な提案が期待できます。
⚙️ Deep Researchモードとは?
Geminiの「Deep Research」モードは、質問に対して時間をかけてより精度の高い回答を出してくれる機能です。
特に旅行プランのように、地理・移動手段・観光地・時間配分・費用感など複数の要素を整理する必要があるタスクに最適です。
このモードを選ぶことで、たとえば以下のような点が強化されます:
- 「〇時に出発 → △駅で乗り換え → ◇時到着」といった現実的なスケジュール
- 宿泊地や温泉の具体的なホテル名
- 名物グルメの歴史背景やおすすめ店舗
- 各観光地の文化的意義や見どころ
🔍 出力にかかった時間と操作感
- 出力スピード:数分
- 長文でも途中で止まらず、1回の出力で約7000文字超の詳細プランが出た
- 誤字脱字・不自然な表現もほぼなく、そのまま読める文章レベル
Geminiは基本的に無料で使えるにもかかわらず、このレベルの旅行プランを一発で出してくれるのは正直驚きでした。
次章では、実際に返ってきた旅程(奈良・高野山・和歌山城など)の内容を、1日ずつご紹介していきます。
🗺️【第3章】出力された旅程のクオリティがガチすぎた
Google GeminiがDeep Researchモードで提案してきた旅行プランは、驚くほど緻密で、まるでプロの旅行プランナーが作ったような完成度でした。
ここでは、返ってきた2泊3日の行程をダイジェストで紹介しつつ、そのクオリティの高さを解説します。
🏯 1日目:奈良で歴史と食と温泉に浸る
- 午前
東京駅を7時前に出発 → 新幹線で京都駅へ → 近鉄線に乗り換え奈良へ到着(移動ルートまで詳細に記載)
近鉄線とJR奈良線の違いまで解説されており、「所要時間」「駅の立地」まで比較してくれているのが驚きです。 - 午後
奈良公園 → 東大寺 → 春日大社 と王道の史跡を巡るプラン。
さらに、「鹿せんべいのエピソード」や「大仏殿の木造建築の世界的価値」など、観光地の文化的な背景まで解説。 - 夕方以降
ならまちでカフェや町家巡り → 名物「柿の葉寿司」の専門店を紹介(たなか、平宗など具体名あり)
→ 宿泊は天然温泉付きの「御宿 野乃 奈良」や「スーパーホテルPremier奈良駅前」など複数の温泉宿を提示。
📌 特筆すべきは、「どの駅から徒歩何分」「宿の特徴」「混雑回避のコツ」まで書かれている点。完全に実用ガイドです。
🧘♂️ 2日目:高野山で心と体を整える霊場体験
- 午前
奈良から大阪経由で高野山へ向かうルート。近鉄とJRを使った場合の所要時間、乗り換え駅、南海高野線の特急「こうや」の解説まで完備。
さらに、「世界遺産きっぷ」などの観光パスまで提案してくれたのは、正直プロでもなかなかできない気配り。 - 午後
金剛峯寺 → 精進料理の昼食 → 奥之院参拝。
「奥之院は写真NG」「弘法大師の御廟」など、歴史的背景+マナー情報まで網羅。 - 夜
宿坊にチェックイン(福智院・恵光院・龍泉院など)。温泉付きの宿坊も紹介されていて、
「写経」「座禅」「朝の勤行」といった文化体験の提案もありました。
📌 この日はまさに「体験の旅」。高野山というスピリチュアルな場所を、日常と切り離された静寂の中で味わえる構成になっており、AIとは思えない“旅情”を感じました。
🏯 3日目:和歌山城とご当地ラーメンで締めくくる
- 午前
高野山から南海電車で大阪へ → JR特急「くろしお」で和歌山駅へ
→ 和歌山城にアクセスする具体的なルート・バス情報も記載。 - 午後
和歌山城(天守閣・紅葉渓庭園・岡口門など)を散策。
解説が「秀吉の弟・秀長が築城」「徳川御三家の居城」と歴史の授業レベルに詳細。 - 昼食&帰路
「井出商店」などの和歌山ラーメンの名店、早寿司の解説もあり。
→ 和歌山から「くろしお」→新大阪 → 東海道新幹線で東京へ戻るルートで締め。
📌 旅の終盤まで気を抜かず、最後まできっちりスケジュールされている点が好印象です。
✨ 総合評価:無料でこの完成度、もはや旅行会社泣かせ
このプランは、単に「観光地を並べた」ものではなく:
- 交通手段の比較(時間・料金・利便性)
- 観光の見どころ+文化的背景
- 食と宿のこだわり(店名・メニュー・立地まで)
- 静けさ・スピリチュアル体験などの“旅の質”への配慮
が詰め込まれており、AIがここまで旅行者の気持ちに寄り添えるのかと驚きました。
次章では、ChatGPT(無料版)との比較を通して、この体験がどれだけ特別だったのかをより深く掘り下げていきます。
✏️【第4章】ちなみにChatGPTでも無料の範囲で検証してみた
そこで、ChatGPT(無料版)でも同じような旅程づくりを試してみました。
ちなみにChatGPTにも「Deep Research」的なモードはあるのですが、これは有料プラン(ChatGPT Plus)限定。
今回はあくまで無料ユーザーが誰でも使える範囲内での比較となります。
🗒️ 結果:ざっくりプランは返ってくるが、ややあっさり
ChatGPTが返してくれた旅程は、「奈良→白浜」の流れで、観光地や宿の名前もちゃんと入っています。
たとえば奈良では東大寺や春日大社、白浜では円月島や三段壁など、定番スポットを中心にスケジュールが組まれており、「流れをつかむ」には十分な内容です。
ただ、Geminiのように:
- 観光地の背景や歴史まで深掘り
- 乗換や路線の選択肢まで明示
- 複数の宿やグルメ情報からの提案と解説
といった細かな部分までは書かれておらず、どちらかというと「ラフなアイデアメモ」といった印象でした。
🧭 印象の違い:無料ChatGPTは“メモ”、Geminiは“ガイドブック”
ChatGPTの提案がダメというわけではありません。
むしろ、旅行の「最初の構想」を立てる段階では、軽快でシンプルな構成は便利です。
ただ、実際に使える旅程や、読み物としてそのまま記事にできるレベルを求めるとなると、やはりDeep Researchが使えるGeminiのほうが頭ひとつ抜けていると感じました。
🧳【第5章】結論:Geminiは“旅行コンシェルジュ”のような存在になりうるAI
「無料のAIがここまでやるのか…」
Google Geminiを実際に使ってみて、そう感じたのは確かです。
旅の構成、移動ルート、所要時間、宿の選択、食事の名店、観光地の歴史解説――
そのすべてが丁寧に整理され、読みやすく、ある程度実行可能な形で提示されるのは、従来のAIではなかなか見られなかったレベルです。
🤖 AI=「アイデア出し」から「下地づくり」へ
以前までは「AIはアイデア出しが限界」と言われていましたが、GeminiのDeep Researchモードでは、
旅程づくりにおける“骨組み”の部分までAIに任せることができるようになってきています。
特に旅行プランでは、以下のような要素を考慮する必要があります:
- 移動手段と所要時間の整合性
- 観光と食事、宿のバランス
- エリアごとの文化的背景や雰囲気
これらを、一定のクオリティでまとめてくれるGeminiの出力は、旅の出発点として非常に有効です。
💡 Geminiは「旅の設計図」を描いてくれる存在
ガイドブックを読み込んで、路線を調べて、地図を眺めながら行程を組む――
そんな手間が、Geminiを使えばかなり省けます。
もちろん、完璧ではありません。
たとえば:
- 電車の時刻は、日や季節によってダイヤ変更があるため、公式サイトでの再確認は必須
- 宿泊施設は、AIが挙げる選択肢が「古い情報」や「現在は営業していない」場合もあるため、写真や最新のレビューを自分の目でチェックするのが安心
- ご当地グルメや飲食店についても、実際の雰囲気や混雑状況は体感に勝るものなし
つまり、Geminiが作ってくれるのは「完成された旅程」ではなく、
“かなり信頼できる設計図”と“旅の方向性”というのが、より現実的な見方です。
✈️ 提案内容の質は高い、けれど最終判断は自分で
たとえば、筆者が好印象を持ったポイントは:
- 宿坊での精進料理や朝のお勤めといった、一般サイトでは見落としがちな体験を含めてくれたこと
- 観光スポットの文化背景まで含んだ説明があり、訪れる前に“意味”を持てる構成だったこと
- 「混雑を避けるならこの時間帯」「予約が確実」といったアドバイスが含まれていたこと
しかし同時に、「全部AIに任せればOK」というほど楽ではないというのもまた事実です。
✅ こんな人にGemini旅行プランはおすすめ
- ✔ 忙しくて旅の構想をざっくり立てたい人
- ✔ 初めてのエリアに行く際、ベースになる行程を知りたい人
- ✔ ガイドブックの代わりに、簡単に「全体像」を掴みたい人
- ✔ 自分で情報収集するのが面倒だけど、調整・確認は苦じゃない人
- ✔ AIの提案をベースに、自分らしい旅をカスタマイズしたい人
🎯 まとめ
Google Geminiは、旅行コンシェルジュのように、あなたの旅の設計図を一緒に考えてくれるパートナーです。
ただし、「旅を実際に歩く」のはあなた自身。行程の確認、宿の空気感、現地のリズム――それらを整えるのは人の感覚です。
AIを頼りつつ、自分の“旅の目”を持って、旅の主役になりましょう。
その提案に、きっと驚かされるはずです。
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